【設立の背景】
近年、多くの企業がAIを活用して競争優位性の確立や業務効率化を進めていますが、その一方で、ガバナンス体制の未整備やサイバー攻撃の脅威など、解決すべき課題が残されています。特に生成AIの利用においては、情報漏えい、不適切な応答の業務利用、社内ルールや体制の未整備といったリスクが顕在化しており、安心・安全な活用環境の整備が急務です。
こうした背景のもと、当法人は、適切なAIガバナンスを構築し、リスク対策を実践できる環境を整えるため、業界横断的に知見を集約・共有する場として「セキュリティ・ガバナンス研究会」を設立しました。
【研究会の目的・主な活動内容】
本研究会は、会員企業・団体が直面する生成AIのセキュリティ・ガバナンス課題を共有・分析し、その解決策を議論・検討することを目的としています。具体的には、
– セキュリティ課題の抽出とリスク低減策の検討
– 国内外の法規制・ガイドライン動向の把握と対応策立案
– ベストプラクティスや事例の収集・発信
– 「Playbook」などの成果物を通じた業界全体へのリファレンス提示
を通じ、安心安全なAI利活用の推進環境を整備します。
【初回会合の概要(8月8日開催)】
第1回研究会では、セキュリティ・ガバナンスの国際的な事例として、トレンドマイクロ株式会社より、同社のグローバルなAIガバナンス体制やAI Committeeによる審査プロセス、AI利用状況の可視化やリスク評価など、具体的な取り組みが紹介されました。参加者からは、実務上の課題や国内適用の可能性について活発な議論が行われ、今後の研究会テーマ設定に向けた有意義な意見交換がなされました。
【今後の予定】
本研究会は、毎月開催を基本とし、次回以降は参加企業による事例発表や専門家による講演を予定しています。この内容をもとに、生成AI利用時のセキュリティ・ガバナンスに関するリファレンス提示に向けて、検討を進めてまいります。
研究会運営チーム(五十音順):
SB Intuitions株式会社、株式会社神戸デジタル・ラボ、トレンドマイクロ株式会社